カリフォルニア・コースト・ドライブ2010/02/14 14:57

Happy Valentine's Day!
むせかえるまでに ♥ な演出、San Luis Obispo の♡ Madonna Inn
“click!”マークのついた全ての画像がクリックで大きくなります。

二月の声を聞いてから、花粉症と、ぎっくり腰再発の前兆のダブルパンチで
いつもに増してゴロゴロ過ごしていた先週の金曜日。

夕方遅くになってから、翌土曜日の午前10時に
ロスアンジェルスでヤボ用発生という緊急連絡が。
えっ?!

同じカリフォルニア州内とはいえ、我が家と LA の距離は
最短でも360マイル≒576km。
「移動手段は?」と悩む間も惜しんで、一気呵成にパッキング。

チケットの手配やら、荷物を抱えての移動やら、到着地での足の手配やらに加えて
なにより、タイムテーブルに縛られる空路より
例え時間がかかっても、多少の距離であれば、Door to Doorで
自由気ままに動き回れる 陸路を好む我が家。
早速車に乗り込み、フリーウェイを飛ばして
一路、天使の街へとまっしぐら。

love@port san luis
Port San Luis の桟橋で愛を叫ぶペリカンとワンコ

なにしろ我が家の愛車はカーナビ不搭載。
ホテルの手配も、モバイルネットを利用して車中で検索。
小さな画面が不便とはいえ、携帯電話でそこそこ用が足りるとは
便利な世の中になったモノです。

おかげさまで日が変わらぬうちに LA に到着。
ホテルで一泊し、翌朝、予定通りにヤボ用をこなした後は、ランチタイム。
帰りは急ぐ旅でもなし、ということで
以前、LA近郊に住む友人に教えてもらった美味しい焼き肉屋さん
Park's BBQ を再訪。
我が家のお気に入り、ミノ (Mino, Beef Mountain Chain Tripe • 양구이) と
ユッケ (Beef Tartar • 육회) と
スチームド・エッグ (Steamed Egg • 계란찜) を、たっぷり堪能。
勿論、カルビもタンも洩れなく征服。

wanna me?
♥ LOVE LOVE ♥ なネイルが、可愛いんだか、可哀想なんだか…

腹ごしらえが済んだところで、帰りのドライブは行きよりもちょっと時間がかかるけれど
だ~んぜん風光明媚な、海岸線をの~んびり北上するルートに決定。

日本でもお馴染みのサンタ・モニカ、マリブ、サンタ・バーバラを通り過ぎ
海に落ちる夕陽を眺め、日がどっぷりと暮れてからもひた走り。
そろそろ腰が怪しくなってきた頃に到着したのが、サン・ルイ・オビスポの街。

ツレアイが道中モバイル・ネットでググリながら
ペイストリーショップステーキハウスがあるらしいよ!」
と興味を示したMadonna Inn。
高速を降りてすぐ、目の前に現れた建物は、ひとことで言えば ピンク
ふたこと目には、 林家ペーパー子さん とでも?

日本にあれば、間違いなくラブホにカテゴライズされることこの上ない姿の、このお宿。
その歴史を紐解けば、大工さんだったMr.マドンナと
インテリア・デザーナーだったMrs.マドンナが
ありきたりのドライブ・インではなく、思いっきり楽しくて
突き抜けるほどロマンティックなおもてなしを目指して
ふたりの夢とセンスを形にした、明るく健全な愛の館。

Madonna Inn
高速沿いのド派手な建物を見ると、いかがわホテルを連想しちゃうのは
日本人の悲しいサガ?


1958年12月24日、12室からスタートしたお宿は、少しずつ増築を続け
今では2200エーカーの土地に110の客室を備えているそうです。
それも、110室、全て異なる趣向をこらした内装だとか。
こーゆー表記の仕方も、どことなくラブホを連想させちゃって、マズイっすかね?

いずれにしても基調はピンク。
建物のそこかしこは当然のこと、街燈の支柱もピンク。
ルームキーからアイスペール、レターセット、ボールペン、ガウン、タオル、石鹸。
レストランのソファや、お砂糖までもが、まっピンク。

それでも(←これまた、失礼な接続詞?)地元の人々には大人気の立派な社交場で
サンデーブランチやらお誕生日やら結婚式で大ニギワイなんだとか。

趣味が合うか合わないかは別として
「誰もがハッピーに過ごせる場所を」
という夢を叶えたマドンナ夫妻のよろこびは、今でも継承されているのかもしれません。
通りすがりの一夜の宿が、滅多にないシロモノ体験となりました。

因みに、ステーキもペイストリーも、いわゆる昔ながらのアメリカ~ンなお味。
お宿もレストランも、わざわざ訪ねるほどの場所では全然ないけれど
あの辺りを走行中にトイレ休憩したくなったりしたら
ちょっと立ち寄ってみちゃったりしてもよろしいかと。
ハッピーになれるかどうかはともかく、不思議な世界を味わえることでしょう。

love@san luis obispo bay
穏やかなサン・ルイ・オビスポ湾でたゆたう、ラッコのカップル ♥

マドンナ・インを後にして、お口直しに車で10分ほど南西に戻って
サン・ルイ・オビスポ湾のポート・サン・ルイまで寄り道してみることに。
もうそろそろ湾が…という辺りで見つけちゃった看板。
あらやだ!
Sycamore Mineral Springs Resortって
もしかしてかの有名な(ベイエリア周辺では)、シカモア温泉 ♨ じゃありませんこと?
夕べの道中で、もう少し真剣にググっていたら
久しぶりの湯治とシャレこめていたかもしれないわけ?!?

いかに文明の利器(モバイル)とはいえ
持ち主(ツレアイ)が使いこなしてくれないことには真価を発揮できないという
まことに残念な実例と成ってしまいました(TT)

気を取り直して先に進むと、ポート・サン・ルイはすぐそこ。
太平洋を望む、すっきりとした小さな入り江や桟橋には
ファット・キャッツ・カフェオールド・ポート・イン といったお食事処も。

桟橋の付け根辺りで魚介を売る白人の父娘のお店でじゃれあっていたのが
本日2枚目の画像で登場した、ワンコとペリカン。
にぎやかで、かわいくて、ついつい見とれちゃいました。

このお店で立ち食いフレッシュオイスター&クラムを注文したら
オーナーのオジサンが「コチジャン、あるよ」と。
LAやベイエリアと比べて、行き交う人々の白人率の高さを感じていただけに
思いがけないタイミングで耳にした「コチジャン」の響きにびっくり。
ワンコにピンクネイルかぁ…
フレッシュ貝類にコチジャンかぁ…
こちらのセンスもマドンナ夫妻と同様、我が家にとっては、なんとも微妙…
コチジャンがあるなら、お醤油もあればいいのに、などと
「ソレこそそちらの勝手なセンス!」って言われちゃう?!

巻貝系も売っているぐらいだから、壷焼きとか、焼き蛤とか、焼き牡蠣とか
香ばしいお醤油の匂いがたちこめたりしていたら
日本人にはタマランでしょうにね~。
こちらの皆さまにとっては、お醤油臭こそが、耐え難い匂いなのかしらん?
日本食やお鮨が好きな米国人が、お醤油パワーを広めてくれるといいなぁ♪

ツレアイとそんな話をしながら桟橋の突端までそぞろ歩いてきてみたら
すぐ目の前でラッコのみなさんが、気持ち良さそうにぷ~かぷか。
ケルプをアンカーにお昼寝している姿を眺めていたら
あたかも ♨ で寛いでいるかのように見えてきて…
嗚呼。
かえすがえすも、シカモア温泉をミスったのは残念でごわした (TT)

もう一度気を取り直して、更に北上。
時間を気にせず、ピンッときた場所は全て寄り道。

Morro Rock


ぽっこりとした大きな岩 モロロック は、2300万年~2700万年前に噴火で出来たVolcanic Plug (溶岩栓)。
岩の麓のすぐそばまで車で行けて、駐車場もあって。
まさしく車社会ですなぁ。

love@morro rock beach
モロ・ベイを背に、太平洋に向かって愛を語らうふたり ♥
波と風の音が強いので、多分、叫んでるはず(笑)


その後、また海岸線を30マイル≒50kmほど北上すると
右手の高い丘に姿を現すのが、かの有名な ハーストキャッスル
って書いてみたものの、有名だと思っているのは我々の年代ぐらいまでで
お若い皆様は、新聞王ハーストのことも、ストックホルム症候群で話題になった
ハーストの孫娘パトリシア・ハースト誘拐事件のことも、ご存知ないのかも。

我々が前回ここを訪れたのは20年以上も前の話。
トイレ休憩も兼ねて、久しぶりにツァーに参加することにしました。

Hearst Castle
上段:お屋敷脇のパティオから見渡せる限りが裏庭
中断左から:カーサ・グランデ、キッチン、インドアプール
下段:ライブラリー


巨万の富を築いた両親から生まれたハーストが
50歳を過ぎてから30年もの歳月をかけて240000エーカーの敷地に築いた館は
現在、カリフォルニア州所有のステート・モニュメント。
東京都を半分にしたより少し小さいだけの敷地が
いったいどれぐらいの広さなのか想像もつきませんが
上のコラージュ画像最上段、遥かに見える山の辺りまでは敷地内だそうで。

往時のハースト・キャッスルを訪れていた常連ゲストのひとりが
あの山を眺めながら
「ここは子育てするのはもってこいの場所だね。
裏庭に遊びに行かせたら、家にもどってくる頃にはすっかり大人になってるよ」
と言ったとか。

ハーストが10歳ぐらいの頃、芸術に造詣が深かった母親と出かけた欧州で
バッキンガム宮殿の中には入れてもらえないと知ったハーストがひとこと。
「だったら買えばいいじゃない」

そのとき母親に、お金では買えないものがあると諭されて以来
いつか必ず、自分の力でヨーロッパの城を再現すると決めていたハースト。

財力に物を言わせ、贅を尽くして作りあげた夢の城は
どんなにお金がかかっていようとも、本家本元、ヨーロッパの宮殿とは比べようもなく。
ハースト自身が最後まで100%の満足感を得られなかったというのも
どこかミスマッチでチープさが漂うこの館の持って生まれた宿命なのでしょうか。

マドンナ・インのマドンナ夫妻と同じように、夢を形にしながらも
「あの家を造り続けている間だけが、幸せだった」
というハーストの哀しい言葉が、お金では買えないものがあるという母親の言葉どおり
巨万の富と多くの人々に囲まれた彼の人生の陰の真実を
物語っているのかもしれません。

それでも我々一般市民からしてみれば、桁外れな大邸宅見学は楽しいイベント。
数ある部屋の中でhummingbird の一番のお気に入りはライブラリー。
本を読むには最適の落ち着いた趣と、窓から見下ろす太平洋がなんともいえず。
ツレアイのお気に入り?
もっちろん、キッチンとダイニングだそうです(笑)

ハースト・キャッスルから、海岸沿いを北上すると
あっという間に象アザラシの群れるビーチに到着。
道路際の砂丘でゴロゴロする象アザラシを間近に見られるって
素晴らしくないですか、このドライブ。
駐車場のスペースもちゃんと設えてあって、益々素晴らしいッ!

love@san simeon


象アザラシのオトウサンが、自分のテリトリーを守るために
他のオスが近付きそうになると大声で吼え、凄い勢いで向かっていきます。
子孫繁栄のために子作りに励もうとメスを追いかけるときも一直線に猛突進。

いずれの場合も、わき目も振らずにいきなり突き進むオトウサンから逃げ遅れ
下敷きになって圧死する赤ちゃん象アザラシがいるとか。
自分で自分の子供を殺しちゃうって、セツナイなぁ…

San Simeon
奥のオトウサン、正真正銘、ビーチの真ん中で愛を叫んでます ♥
あれ…もしかして威嚇?


どんなにセツナクなるようなことがあったとしても
夕陽に染まる空と海に住む彼らを眺めているだけで幸せを感じるのも事実。
ハーストさんも、それで幸せを感じて、それだけで満足できていたら
人生ラクに過ごせたかもしれないのにね…

どんどん暮れていく海岸線をつたって、ビッグサー、カーメルを抜ける頃には真っ暗闇。
モントレーを越えたところで海とお別れ。
内陸に向かいつつ北上を続ければ、我が家まではあと一息。

ヴァレンタインズ・デイには一週間早かったけれど
突発事項のおかげで、様々な愛の形に触れ合う旅を楽しむことができた我が家。
全行程785マイル≒1250kmを走り抜けてきたあと
暫くの間、廃人同様の生活を送ったことは言うまでもありません。

ヴァレンタインズ・デイ本番の本日も、ふたりしてゴロゴロ過ごすことになるでしょう。
これもまた、長年連れ添った夫婦の愛の形ということにでもしておいてください ♥♡♥


人気ブログランキングへ
人気blogランキングに参加中。
ポチポチお付き合いくださいませ♪


迷惑コメント多発のため、コメント欄を承認制に変えさせて頂きました
何卒ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます m(_ _)m


コメント

_ にゃこりん ― 2010/02/18 18:00

ナビもなしにモバイル行軍でその日のうちに到着て、ずいぶんフットワーク軽いですね。
腰の具合いかがですか? ピキピキッっときてるときは気をつけていても、ふっと気を抜いた時が危ないのでお大事に。

楽しい旅行記、読ませていただきました。
まずは、ワンちゃんとペリカン。合成かと思うほど。
ピンクのネイルも爪のお手入れをしてもらってるんだと思えば許せるかも~^^
カラーリングされた犬は論外ですけどね。

シカモア温泉は残念でごわしたけど、Madonna Inn は通りすがりならではの体験ではございませんか?
この次はシカモア温泉!ってことで。

気になったのはファット・キャッツ・カフェ!
当方でもそのような奴を一匹扶養しておりますれば(爆) 看板がツボでした。

そしてそして、パトリシア・ハースト、リアルタイムでございますとも!
なんとパトリシアと同い年ときてるもので(爆)
お屋敷のコラージュを見て、このライブラリーhummingbirdさんお好きそうだなぁ~と思ったんですよ。
当たりでしたね!

人生も趣向も自然も動物も、まさにメルティング・ポットな旅でしたね。

_ hummingbird ― 2010/03/03 19:40

☆にゃこりん様

毎回コメレスが遅くなって、本当に申し訳ないm(_ _)m
強行軍のカリフォルニア・ドライブから生還したと思ったら、また、慌ただしく日本に向けて一時帰国。
老体に鞭打って移動を続けているうちに、せっかくの旅の記憶がすでにあやふやに(笑)

およそのコンピューターから自分のブログを眺めて「おぉ、こんなことしたんだぁ!」っと、再度観光気分を味わっています。

今度ポート・サン・ルイを訪問する機会があったら、是非、にゃこりん様ご指名のファット・キャッツ・カフェを訪れてみようと思います(^^)

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック