クリスマスの贈り物2008/12/26 15:13



風邪っ引き最高潮で迎えたクリスマスの朝は、大雨。
咳と微熱でだるさ炸裂なのをいいことに、いつまでもベッドの中でグズグズしていたら、珍しくノックの音が。

もともと、予定外の訪問者の少ない我が家。
その上、祝日クリスマスの朝ともなると、郵便・宅急便・フェデックスの類や、アパートの管理スタッフのはずもなく、よもやサンタクロースということも考えられず、ノックの主に、全く心当たりがありません。

一瞬、我が家の住むアパート群団内の友人?と思ったものの、このアパート群団は、各棟それぞれ、一階のメインエントランスにインターコムが設置されているため、同じアパート群団とはいえ、違う棟を訪ねる場合には、外部からの訪問者と同じように、先ず、メインエントランスでインターコムのブザーを鳴らす必要があります。いきなり玄関のドアがノックされることは、滅多にありません。

「クリスマスの朝から、誰だろう?」と、いつもに増して回転の遅い脳味噌を抱えながら玄関前に佇んで、トロトロと考えていると、ドアの下の隙間から小さな紙が差し込まれ、その後、ドアの向こう側から人の気配が消えていきました。



小さな紙=名刺を見ても、まだピンと来ず、裏返して手書きのメッセージを読んだところで、ようやく、病んだ脳味噌に記憶が蘇ってきました。



今からおよそ一ヶ月ほど前の話。
我が家が、ちょうど日本に帰る頃、お隣の玄関前に小包が置かれていました。アパート内では、留守の間に届けられた荷物が、各部屋の玄関前に放置されることが多いため、そのときは、特に気にもせず。ところが、その後、我が家が日本への帰国を終えて、パロアルトに戻った時点でも、お隣の小包が、まだ、そのままの状態で玄関前に。



随分、長い間お留守なんだなぁ…と、気になりつつも、5~60歳代とおぼしき男性であるお隣さんと我が家は、顔を合わせれば挨拶を交わす程度のお付き合い。そもそも、生活時間帯が違うのか、我が家がこのアパートの住人となり、その数年後に彼が引っ越してきて以来、殆ど顔を合わせることのない間柄で、勝手に小包を預かるというのは、なんともはばかれる。さりとて、いかに安全といわれるこのアパートでも、一週間以上廊下に放置されたままでは、どうにも気に掛かります。



さて、どうしたもんかなぁ…と考えあぐねていたところ、ある日、ようやく小包が消えていました。お隣さんが帰ってきたのか、アパートの管理スタッフが対処したのか、はたまた、何者かに持ち去られたのか…などと、得意の妄想が繰り広げられる前に、タイミング良く、買い物に出かける我が家と、外出するお隣さんが、玄関前で鉢合わせ。

「はうあーゆー?」「ろーんぐたいむ、のーしー、やー?」から始まって、小包の話から、出張の話、日本帰国の話と、お互いが隣人となって以来、初めての井戸端会議に進展。そして、お隣さんから「これからは、長い間留守にするときには、一声かけていかないか?」との提案が。
「いいですね~!」と応える我が家に、お隣さんは続けます。



実は、クリスマス当日から暫くパリに行くんだ。もし、その間に荷物が届いたら、預かっておいてもらえないかなぁ、荷物が届く予定はないんだけどね、もし、ってことで。

もっちろん、喜んで。
それにしても、クリスマスにパリ?
素敵ですね~。

そうでしょう?
僕にとっては、初めてのパリなんだけどね、ガールフレンドと一緒に行くんだ。彼女はフランス語が完璧なんだよ。クリスマスにパリに行って、そこで彼女にプロポーズするつもりなんだ。

うぇえええっ?!?
そぉぉーーーーーー、ろまんてぃっくぅううう!

そうでしょぉ~?
63歳で、生まれて初めてパリに行って、そしてプロポーズするんだ。
若い頃には思ってもみなかったことだけど、なかなか、いい人生だよね~(笑)

うぃーうぃー!



初めて交わした会話で、とってもうれしそうにパリ行きのこと、ガールフレンドのこと、そしてプロポーズのことを話してくれたお隣さん。
笑顔で手を振って去っていくその姿は、まるで、初めてのデートに舞い上がる少年のようでした。




そっかぁ…




今朝、パリに旅立ったのですね。
63歳にして、初めて訪れる異国の街で、思いのたけを込めてプロポーズ。
クリスマスの余韻に浸るパリの街は、このアメリカ人カップルを、どんな風に迎えてくれるのでしょう。





Happy holidays to my dear neighbors!



長い間、お互いの名前も知らなかった隣人から届いた、この短いメッセージが、クリスマスの朝を、温かい思いで充たしてくれましした。


玄関の扉の向こうから、少年の笑顔の如き隣人と、満面の笑みのサンタクロースが、一緒に幸せを運んできてくれたかのようでした。


Enjoy your life! Enjoy Paris!
We wish you a merry and happy Christmas!



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コメント

_ kazuko ― 2008/12/27 02:47

お隣さん、クリスマスのパリでプロポーズって素敵!
成功するといいですね。

その後お風邪の具合はいかがでしょうか?
せっかくのクリスマスでしたのに・・・。

我が家もオットが同様に風邪で寝込んでいます。
今朝は出勤したのですが、1時間ほどで舞い戻ってきました。
会社の方達にとっても、(うつされたら迷惑なので)自宅で
おとなしくしててもらった方がいいですよね。

hummingbirdさんも、早くお元気になられますように!
どうぞお大事に。

_ hummingbird ― 2008/12/27 14:41

☆kazuko様

クリスマスに一緒にパリに行くぐらいですものね、勝算あってのことと思うのですが、これでNGだったら…それもまた、楽しからずや。とは、言えないか、失敬失敬。

この風邪、どーなっちゃってるんでしょう、咳が止まらないのですよ。すっごーーく悪化もしない代わりに、全然良くならないって感じです。フルショットも、ちゃんと受けたんですけどね~…ご主人様は、いかがですか?どんんなご様子でしょう?やっぱりお咳?

せっかくの年末年始、健やかに過ごしたいものですよね~。お互いに、早く治りますように。ご家族の皆様(含む、我が家のツレアイ)も、お大事に~♪

_ にゃこりん ― 2008/12/28 16:29

ほぅ、ほぅ、ほぅ。で、で?どうなったのかしら??
うまくいったの?プロポーズ!?!
なんて素敵なお話なんでしょう。映画化のお話は?
もう、すっかりおばさん化してます(爆)
お隣さんの残りの人生ばら色に染まりますように♪

お咳、つらいですね(+o+)
私は娘の咳が続いた時、「ハチミツ大根」を作ってあげてました。
「おばあちゃんの知恵袋」的なものですが、のどのイガイガにやさしくて咳も収まっていくみたいですよ。
1cm角に切った大根にひたひたのハチミツを注ぎ、上がってきたエキスをスプーンでなめます。
(数時間で飲用可)
お薬ではないので副作用はございません^^

ベッドでいい子にしてお過ごしくださいね。

_ hummingbird ― 2008/12/31 09:41

☆にゃこりん様

ね、ね、ね?どうなったんでしょうね~(^^)?
お隣さんは、どこからどう見ても、我が家と変わらぬ、ふっつーーのおぢさん。それでも、やっぱり、人に歴史アリ。生あるもの、すべからく「ドラマ」なのね、と再認識した次第です。ラヴィアンローゼ♪

にゃこりん様からのハチミツ大根のインフォメーションにびっくり!というのも、時を同じくして「咳」「喉の痛み」でインターネット検索。我が家に備蓄されていた食材で試せたのが、ハチミツ大根でした。相変わらず、繋がってますね~(笑)

ハチミツ大根、確かに、舐めたときには、確実に咳が収まりますね。完治には至ってませんが、副作用がなくて安心です。

こちらが30日ということは、日本はもう大晦日?日本と比較すると、一日、猶予があるような気がしちゃうものの、実は、比較の問題ぢゃ~ないんですよね、わはは。

体調不良で迎えた年末。今のところ、大掃除やお節作などの、恒例の作業に全く手をつけられていません。それどころか、普段の家事もオロソカナ状態。

我が家の今年の汚れ、二年越しになる気配、濃厚です。

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